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ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
『…陽葵には寂しい思いばかりをさせていますね…僕さえ傍にいられたら…陽葵はずっと笑っていられたのに…』
友紀也の言葉に苦しみが乗る。
『友紀也っ…』
友紀也の名前を呼べば、友紀也は私から身体を離して見つめてくる。
苦痛に歪んだ表情。
私が口に出したばっかりに友紀也を追い込み悲しませる…
『許して…ください…先に逝ってしまった僕を…許して…』
謝罪の言葉を口にする友紀也を力強く抱きしめる。
こんな悲しい表情をさせたいわけじゃない。
『大丈夫…私は大丈夫…友紀也が傍にいてくれているのは分かってるから…伝わってるから…だから、そんな顔しないで?友紀也が私に笑ってほしいと願うように、私も友紀也には笑顔でいてほしい。私も友紀也の笑顔が好きだから…だから笑って?』
『陽葵…』
『私は友也と生きていくと決めた…友紀也の意志を継いで教師にもなると決めて歩み始めた…だから私は大丈夫…夢から覚めても…大丈夫だから…』
暫くしてから、友紀也は私の胸から顔を上げた。
流した涙の痕が痛い痛しい…