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第32章 変わる日常…

その言葉にホッとしていると、隣の席に戻ってきた小林先生がにやにやと笑っていることに気がついた。

「何笑ってるんですか？」

少し不機嫌に聞くと、悪い悪いと言いながら…悪いと思っていない顔をする。

「お前は…こういうのには疎いよな…高梨先生…陽葵先生に気があるんだよ…せっかく意を決して誘ったのに…かわいそうだろう」

クククッと笑いながら告げられる言葉にハテナマークしか頭の中に浮かばない。
どこがどう気があるのかさっぱりだった。

「天然と言うかなんというか…帰り際に毎日声をかけに来るのはそういうことだろう？」

「…小林先生はいつも話しかけてくれますよ？」

そう伝えると、小林先生は手を頭に置いてワサワサと搔き乱した。

「俺と高梨先生を一緒にしたら可哀想だろう…俺は陽葵先生の保護者のようなもんだ…桜木先生から預かったしな…。…そろそろいいんじゃないか？」

「そろそろ？」

なにがそろそろなのか分からず聞き返すと、小林先生はわざとらしく大きな溜息を付く。

「桜木先生が亡くなって15年…か？そろそろ自分の幸せ考えてもいいんじゃないか？」