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第32章 変わる日常…

正直な気持ちを話すと千佳は大きな溜息を付く。
そして、一口コーヒーを飲んだ。

「分かってるわよ。前の奥さんと別れた原因も浮気だったらしいし…今回の事で本当に目が覚めた…」

「それが本当だったらいいんだけどね」

「今度は本当だって…だってさ、相手に子供が出来たって…諦めるしかないじゃん」

千佳の言葉に唖然とした。
女にだらしのない人だと思っていたけど、まさか浮気をして子供ができたとは思わなかった。

「千佳！！！絶対に寄りを戻しちゃ駄目だからね。」

「分かってるわよ。純二も浮気相手と結婚するって言ってるんだもん。不倫する気はないから！！あ～あ…なんで、こうも男運悪いんだろう…ただ幸せになりたいだけなのにさっ」

笑いながら言っていても、傷ついているのは手に取るように分かる。
私たちには一切弱みを見せたがらない千佳。
どんなに辛くても悲しくても笑って何でもないと言い張る千佳の性格は、長年親友をやってきた私だから分かる事。
私は千佳の横に座って、千佳を抱きしめた。
抱きしめた瞬間ビクッと体を硬直させたけど、背中を擦っていると次第に硬直は取れむせび泣く。