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ずっと傍に……
第32章 変わる日常…
「陽葵!明日は仕事?」
「ううん。休みだよ」
だったら飲もう!ということになり、久しぶりに千佳と家飲みすることになった。
と言っても、お酒が弱い私の家にお酒のストックがあるわけがなく、コンビニでビールやおつまみを買い込んで飲むことにした。
相変わらず千佳はお酒に強くてビールの空き缶が転がっていく。
それに引き換え、私は梅酒をチビチビと飲んで千佳の相手をしていた。
ヤケ酒の千佳は早々に酔い絡みだした。
「ねぇ~…陽葵…私のどこがいけないのかな…ただ自分を好きになって欲しいだけなのに…ただ一緒にいたいだけなのに…ただ一緒に年を取りたいだけなのに…」
今にも眠りに落ちそうなトロンとした瞳で語りかけてくる言葉に、寂しい思いがする。
―――ただ一緒にいたいだけなのに…
―――ただ一緒に年を取りたいだけなのに…
それは私が望んでも手にいれられなかったもの。
友紀也とずっと一緒にいたかった。
友紀也と一緒に年を取りたかった。
だけど、それは叶わぬ願いだった。
それでも、私には友也が傍にいてくれる。
今は口も聞いてくれないし、目も合わせてくれないけど、傍にいてくれさえすれば私は強く生きていける。