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ずっと傍に……
第32章 変わる日常…
「ねぇ…陽葵…陽葵は幸せ…?友紀也さんがいなくなって…他の人の子供を産んで…幸せ…?」
私に寄りかかりながら呂律がまわっていなかった。
起きても記憶があるか分からない千佳に本音を告げる。
「…幸せだよ…友紀也が亡くなったのは悲しかったけど…ユキと出逢って友也を産んで育てることができて幸せ…どんな友也だって…私の宝物には変わりはない…」
「宝物か…じゃあ、後悔したことは一度もないんだ」
ユキの名前を出してもスルーしてくれたことにホッとした。
いつかは伝えたいと思うユキの存在。
私の中で確証が持てたら全てを話したいと思っている。
そして、友也を産んだ事に後悔はないか…
「ないね。今でも私の元に生まれてきてくれてありがとうって思うよ…」
「そっか…陽葵は幸せなんだね…陽葵が…幸せ…なら…私も…し…あわ…せ…」
そう言いながら、千佳はそのまま眠った。
その寝顔を見ながら思う。
千佳にも幸せになってほしいと。
結婚だけが全てじゃないし、好きな人と添い遂げることだけが幸せじゃない。
千佳が千佳らしく幸せになれればいいと願った夜だった。