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ずっと傍に……
第32章 変わる日常…
「千佳さんは起こさないでいいのかよ」
「うん…もう少し寝かせておいてあげて…それより、今日はどうするの?でかけるの?」
「ああ…でかける」
「どこに?」
そう聞くと、ギロッと睨まれる。
「どこだっていいだろう」
そう言ってリビングのドアをバンと閉めて自分の部屋に行ってしまった。
心が通じてると思って調子に乗った私が馬鹿だった。
私とふたりになると元に戻ってしまう友也に寂しさだけが膨れ上がった。
「今の音…何?」
ドアの閉まる音で起きてしまった千佳が、頭を抑えながら聞いてきた。
「ごめんね…友也がドアを閉めた音なの…今反抗期でね…荒れてるのよ」
「反抗期??」
怪訝な瞳を私に向ける。
昨日の会話だけを思い出せば、反抗期に見えない。
だけど、実態はそうじゃない。
「全然喋ってくれないよ。今も、どこに行くか聞いたら、どこだっていいだろうって出て行った」
「嘘でしょう?…昨日はあんなににこやかに喋ってたじゃない」
頭を抱えながら言葉にする千佳に冷たい水を差しだした。
それを一気に身体に入れて一息つく。