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ずっと傍に……
第32章 変わる日常…
「前も思ったけど、変な感じだよな。ただ学生だった俺たちが社会に出て結婚して人の親になった。あの時は親に反発して反抗期だった俺たちが親になり子供の心が分からないと言う。同じ道を歩んできたはずなのにな」
大地くんの言葉に、その通りだなと思う。
友也みたいに口を聞かなかった事はなかったけど、ママやパパの言葉にイライラしていた時期はあった。
考えてみても理由なんてない。
ただ普通に話しかけられても、それがイライラに繋がった。
だからと言って嫌になったわけじゃない。
イライラして冷たく当たった後に、申し訳ないなと自己嫌悪に陥ることもあった。
分かっていても話すとイライラして悪循環だったことを思い出す。
それと同じで友也も、ただイライラしているだけかもしれない。
みんなが言う通り、普通にしているのが一番なんじゃないかと思えてくる。
「大地くん…ありがとう。少し気持ちが楽になったよ」
「ん?俺、何も言ってないけど?」
大地くんはそう言って笑った。
だけど、恭平さんや小林先生に言われてもすっきりりしなかった気持ちが、大地くんの何気ない一言に晴れたのは間違いなかった。