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ずっと傍に……
第33章 私の幸せ…
「ごめんなさい…高梨先生は結婚もされていない…中途半端な気持ちでつきあうのは高梨先生に失礼だと思って…正直に話しました…」
「それは…―――諦めなくていいと思っていいですか?」
少し考えた末に高梨先生はそう口にして、カクテルを持っている私の手に自分の手を重ねた。
伝わる体温が心地よくて、心がドキドキし始めた。
「前に言いました…ご主人を思っている陽葵さんを愛おしいと思ったと…もちろん、今でもご主人を愛しているのも知っていますし、息子さんがいるのも承知しています。それを承知の上で、俺は陽葵さんを好きになりました。」
触れているだけの手をギュッとにぎり、両手で包んでくれる。
「亡くなった人に勝とうとは思いません。増してや血を分けた息子さんにも…それでも…俺は陽葵さんとつきあいたいと思っています」
真っ直ぐに気持ちをぶつけてくる高梨先生に私の心は動く。
友紀也を愛している私ごと受け止めてくれる覚悟も垣間見れる。
友紀也ごと私を愛してくれる高梨先生ならと…