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第33章 私の幸せ…

「お待たせしました。」

「大丈夫ですよ。とりあえず行きましょう」

そう言って映画館の中に入り、ジュースとポップコーンを買い込んで座席についた。
学生の恋愛モノだけあって、女子高生が半分を占めていた。
その中にいる私たちが目立っているのはなんだか少し恥ずかしい。

「高梨先生はこれでよかったんですか？恋愛ものですよ」

「はい。一応今の子たちがどんな恋愛をするのか…教師として興味がありますから」

その言葉を聞いて教育熱心だなと感じた。
今日見る映画は学生に人気の淡い恋物語。
お互いに好きだけど言葉にできずにすれ違いばかり。
ほんの少し勇気を出せば好き同志になれるのに赤い糸は絡まるばかり。
そこに転校生が加わり三角関係になる。
結局は最初のふたりが付き合うようになるけど、かなりのラブシーンがあるのが困りもの。
18禁じゃないから濃厚ではないけど、助長しなければいいと思いながら教師の目線で見てしまった。