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ずっと傍に……
第33章 私の幸せ…
「私が積極的ではないので…うれしかったですよ」
そう答えると、驚いた様に私を覗き込んできた。
その視線を感じて顔を背けると、頭を胸に押し付けられた。
「そんな可愛い事、言わないでください。本当に帰したくなくなりますから…」
切羽詰まった物言いにクスッと笑うと、もうっ!!と不貞腐れる高梨先生をかわいいと思いながら、時間が許す限り寄り添っていた。
帰る時間になっても離れがたくて何度も何度もキスを交わした。
それでも帰る時間にはカラオケボックスを出てマンションに足を向けるが、マンションに近づくに連れて足取りが重くなる。
このまま高梨先生と朝まで過ごしたいと、友也より高梨先生を優先しはじめていたことに気がつかなかった。
それだけ高梨先生の事が好きになっていた。
マンションの前に着いても手を離せないでいる私に優しく言葉をかけてくれる高梨先生。
「明後日、学校で会いましょう…」
「…はい…」
そう返事をしても握りしめている手を解くことができなかった。