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ずっと傍に……
第33章 私の幸せ…
「でだ、どうした?何かあった?」
私の隣の椅子を引いて小林先生が腰かける。
三輪田校長も自分の席からじっと私を見つめていた。
「…友也が…」
はらりと涙が舞い落ちた。
ポタリポタリと手の甲に落ちては消えた。
「友也くんがどうした??」
「友也が…友也の考えが分からないんです…。ただ…口を聞かなかっただけなのに…昨日は雑誌を投げて…」
「陽葵先生に投げたのか?」
驚く小林先生に間違った捕らえ方をしたくなくて慌てて否定した。
「ちがいます!!…雑誌を壁に投げつけただけで…。今日の朝も、文化祭の準備で朝早い事忘れてたら…怒って…椅子蹴り倒して…もう…友也が分からない…何を考えてるのか…分からない…」
泣きながらも思っていることを口にすると、小林先生の手が背中を優しく撫でてくれる。
その手の温もりが暖かくて涙は後から後から流れてくる。
「こんなに…反抗するのは、父親がいないからでしょうか…」
「陽葵先生…」
小林先生は困ったように笑った。