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ずっと傍に……
第33章 私の幸せ…
「言ったな…俺も先輩に言われた言葉だ。その時に親がどんな態度を取るのか。怖がるのか、それとも根気良くつきあうのか。それで家族の行く末が決まる。怖がってもいい。なぜ?と思ってもいい。けど、それでも家族で愛していると伝わることが大事なんだ。それが親の勤めだと…教えてもらった。我々は教師だ。普通の親より子供の心は理解しているはずだ。だけど、自分の子供だから感情が優先してしまって悩んでしまう。冷静に考えれば簡単なことなんだ。…思春期と言うのは私たちが思う以上に大きな悩みの中にいて、多感な時期でもある。。色々な感情を感じ飲み込み、そして処理できずにイライラが募る。それを人にぶつけることで、心のひずみをどうにかしようとする。その相手は一番身近な親なんだ。でも、親は辛いよな。手塩にかけて育ててきた可愛い子供に当たり散らされるんだから。それでも、そこに愛情がないわけじゃない。何をしても許されると思うから甘えて当たるんだ。陽葵先生は辛いかもしれないが…もう少し様子をみてあげよう。物を陽葵先生にぶつけずに壁にぶつけるのは、陽葵先生にぶつけてはダメだと分かってるから。分かっていても、何かに当たらないとイライラがおさまらない。そんな感じだと私は思う」