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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…

「闘病生活を…死にゆく人を見続けるのは辛かった。それでも確実に時は進むんです。どんなに頑張ってもこの人は私の前から消える…消えた後、私はどうなるんだろうと…彼は生きて行って欲しいといいましたが…私は頷きながら後を追う事ばかり考えてたんです。主人が亡くなって…赤ちゃんができてたことが分かって、生きていく道を選びましたが、赤ちゃんがいなければ後を追っていた…それほどまでに主人が全てでした…それからは子供が一番で恋愛なんてしてこなかった。そんな余裕もなかったし、そんな人もいなかった。主人より好きになる人がいなかった…」

「でも、ご主人より好きになる人を見つけたんだね」

「…主人の事は今でも好きです。喧嘩をして別れたわけではないので好きだった気持ちが消えることはありません。だけど、高梨先生はそんな私を愛してくれます…忘れなくても良いと言ってくれます。その言葉にどんなに救われた事か…」

「陽葵さん…」

高梨先生をみると、瞳がウルウルとしているのが分かった。
その瞳に触れて、そっと拭った。
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