この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第34章 見えない想い…
「さっき秘訣って言ったね。秘訣はね。自分を偽らない事。ありのままでいる事。この人の死に直面した時、どんなにこの人が大事かって自覚する。どんな状態でも良い、生きていて欲しいと願う。もし、この人が歩けなくなっても、それでも良いから生きていて欲しいと願った。」
「目を覚まして泣きじゃくるこいつをみて…一生大事にするって心に誓った。もし歩けなくなったら迷惑しかかけないのにそれでも生きいて欲しいと願うこいつを一生守ろうと誓った…お互いがお互いを大切に思っていれば何年たっても上手くいく。」
女将さんと大将がそれぞれの想いを口にする。
その言葉からはお互いを想う溢れんばかりの愛を感じた。
「陽葵さんも辛かったね。それでも今を生きて、たっちゃんに出会った。亡くなったご主人を好きな陽葵さんを好きになったのなら大丈夫。たっちゃんの気持ちは本物だ。そして、その辛い話をたっちゃんに話していて、今でもなくなったご主人を好きだと正直に話した陽葵さんの誠実な想いもまた本物…」