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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…

「このまま…陽葵を帰したくない…」

「私も…帰りたく…ない」

お互いに、まだまだ一緒にいたいという気持ちに変わりはない。
願わくば朝まで…身体を重ねていたい。
そう思っているのに、現実は非情にも帰ることを強いる。

「それでも…陽葵は帰ることを選ぶんですよね…」

少し寂しそうに微笑む龍也は一緒にいることを諦めているようだった。
そう願ったのは私なのに、帰ることに抵抗を感じている自分がいた。
だからその言葉に何も返せないでいると、龍也は私を抱き起して抱きしめてくれる。

「卑怯ですね…陽葵が息子さんを一番に考えているのを承知でつきあってるというのに…俺は陽葵に無理な事を言ってしまう…」

「…いえ…私の方こそ…ごめんなさい…」

お互いに気まずい雰囲気に包まれながら、お互いの温もりを肌で感じていた。
ずっとこのまま抱き合っていたいのに時間だけは過ぎていく。
時間が止まってしまえばいいのにと願ってしまう。
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