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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…
「友也…今度ゆっくり話し合おう?」
優しく話しかけると、友也がビクッと身体を震わせた。
そして怒りの色が散ったような気がした。
友也なら分かってくれると、もう一度優しく諭すように話した。
「いつでも話を聞くから…言いたいことあるならちゃんと聞くからね。とりあえず今日は寝よう?」
これで大丈夫だと思った。
落ちついた後、友也の言い分を全て聞けば丸く収まると…軽く考えていた。
だけど、友也は敏感に私の気持ちを読み取る子。
それを完全に忘れていた。
「はっ?親子でいるのも嫌になったってか?」
自嘲気味に笑う友也の言っている意味が分からなかった。
「もう、親子として話するのも嫌になったかって聞いてるんだよ!!」
落ちつくどころかイライラが増したように、近くにあった椅子を蹴飛ばした。
その椅子はソファーに当たりガタンと落ちた。
「友也…落ち着こう?落ち着いて話そう?」
どうにか宥めたくて、いつものように優しく語り掛ける。
だけど、それが返って友也の気持ちを傷つけてるなんて、次の言葉を聞くまで思いもしなかった。