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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…
「…教師面かよ…親じゃなくて…教師として…俺と向き合おうってわけだ…実の母親なのにな…」
椅子を蹴飛ばして少し落ち着いたのか、先ほどのイライラした感じじゃなくて寂しそうに静かに口を開いた。
「友也…?」
不安になり手を伸ばして触れようとすると、その手をパシッと叩かれて触れる事ができなかった。
「もう…好きにすれば?…俺も好きにするから…。お金さえくれれば勝手に生きて行く…せいせいするだろう?俺がいなくなれば好き勝手やれて俺に振り回されることもない…俺も…ひとりの方が楽だし…」
友也は最後に寂しそうに微笑みリビングを出て行こうとした。
その背中を見て言いようのない不安が込み上げてくる。
ここで止めなければ、二度と家族には戻れない…そんな気がしてならなかった。
「待って!!ちゃんと――――痛っ…」
出て行く腕を引いて止めようとした瞬間、その手を大きく払い除けられ、その反動で体制を崩してテーブルに身体を叩きつける。
その反動でガタガタと椅子を押し倒しながら床の上に大きな音を立て倒れ込んだ。
倒れる時に咄嗟に出した手に痛みが走る。
その手首と横腹の痛みに立ち上がることもできなかった。