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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…
「あっ…ごめっ……」
友也は驚いて慌てて駆け寄り、私の目の前で足を止め、うずくまる私を暫く見下ろしていた。
一瞬眉間に皺をよせ、次の瞬間には表情を一変させ…
「ははっ…はははははっ…ははははははっ――――」
そして、狂ったかのように笑いだした。
部屋中に響く友也の笑い声。
その笑い声が怖くて鳥肌が立った。
「…友也?」
そう名前を呼んでも返事をしない。
狂ったように声をだして笑っていた友也はぴたりと笑うのを止め、じっと私を見つめた。
睨みつけるではなく、ただ寂しそうな瞳を私に向けるだけだった。
友也にいったい何が起こったのか。
必死に考えても分からない。
「友…也…」
不安になり声をかけても、友也の視線が外れることはなかった。
そして、友也は何かを言いたそうに口を開き言葉を飲み込んだ。
それでも言わずにはいられなかったのか、もう一度口を開き止まる。
開きかけた口から何を言われるのか怖くて、ゴクリと息を呑んだ。