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ずっと傍に……
第35章 すれ違う心…
「言い争いはそこまでだ。とりあえず手を冷やす方が先だ。高梨先生。冷蔵庫にアイスノンが入っていたはずだから持ってきてくれ」
私の傍から離れるのを渋りながら、龍也は冷やすものを取りに行ってくれた。
小林先生に握られている手が妙に熱くてドクドクと波打っている。
「友也じゃないから…友也はこんなことしないから」
「その話はあとで聞く…陽葵先生は次の授業はなかったな。高梨先生は1・2限と授業だ。その時にゆっくりと話をしよう…大丈夫だ。友也くんがどういう子か知らないわけじゃない」
そう言ってくれる小林先生にホッとし、逆に龍也に嫌悪感を抱いていた。
簡単に朝のHRを終わらせ、小林先生と会議室で話をする。
私の手には大きなアイスノンを乗せ、冷たさが心地よい。
「で?何があった?」
「友也は悪くないんです」
「それを決めるのはお前じゃない。とにかく何があったか話してみろ」
口から煙を吐きながら小林先生は私が話出すのを根気よく待ってくれる。
全てを知っているからこそ、力になって貰える気もして昨日の事を話すことにした。