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ずっと傍に……
第35章 すれ違う心…
「陽葵先生が信頼するだけはあるな。話をしただけで親身に考えてくれたよ。とりあえず19時頃に迎えに来てくれるそうだから、友也くんと話してもらうといい。まぁ、俺の感だと、そんなに難しく考えなくてもいい気がするんだが…陽葵先生が話すより赤の他人の方が上手く行くだろう」
小林先生は優しく微笑み、私の肩をポンと叩いた。
その言葉に少しホッとしながらも、友也と会うのが少し怖いと思っていた。
だけど、もしかしたら家にいないかもしれないと思うと授業も身が入らず生徒から指摘を何度も受けた。
これでは教師失格だと落ち込みながら、その日の授業をなんとかこなした。
「陽葵先生…」
全てが終わるといつものように龍也が近づいてきた。
今日一日避けているのが分かったのか、寂しそうな顔をしていた。
「今日も無事に終わりましたね…って生徒に間違いを指摘されたりしましたけどね」
務めて明るく笑うと、少しだけ笑ってくれた。
「あの…息子さんの事ですが…」
正直…龍也とは友也の事は話したくなかった。
何も知らないのに、すべてを友也のせいにしようとした龍也が許せなかった。