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第35章 すれ違う心…

「そうですね…ただ元気に育ってくれればいいと…それだけでしたね。」

「子供が成長するように、俺ら親も成長していく。最初から完璧な親なんてなれないさ。何人の子供を育てようと、子供の性格もそれぞれ違う。その都度、接し方も違ってくる。いつまで経っても親は新人で完璧じゃない。俺はそう思うよ。」

「…そう…言って貰えると少しは気持ちが楽になります」

「陽葵は完ぺきを求めすぎなんだって。片親だからって負い目もあるかもしれないけど、友也は何とも思ってない。ずっと見てきてそう思う。友也は良い子に育ってるよ。だから自信を持て」

「自信…ですか？」

「そうだ。子供の気持ちが分からないって言ったそうだけど、分からなくて当たり前。親子でも同じ人間じゃない。考え方も全てが違う。それを全て理解するって不可能だと思わない？小さい頃は思った事を口にして分かりやすくても、年頃になったら隠し事も増えるし、言って良いことと悪い事の区別もつく。本音を全て話さないのに分かるわけがない。分かると思ってるからイライラする。逆に分からなくて当たり前だと思っていればイライラもしない」