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第35章 すれ違う心…

恭平さんの言葉は納得のいくものだった。
友也の事は私が何でも分かっているつもりだった。
友也も私の愛情を、想いを分かってくれていると思っていた。
だから伝わってないと分かり苦しく寂しかった。
だけど、それは大きな間違いで、分からないのが当たり前だと思うと少しは気が楽になる。
だけど…

「だけど恭平さん。それだったら家族の意味なくないですか？」

そう言うと、恭平さんはフッと笑った。

「家族の意味がないわけじゃない。家族だからこそそうなる」

「…言っている…意味が分からないです」

「…陽葵にとって家族って何？」

いきなりの質問で咄嗟に答えを言えなかった。
家族とは何か…
私にとっての家族は…

「私より大切な存在…そして、私が守りたいもの」

「じゃあ、心が分からない友也は守りたいものには入らない？」

「入るよ！！今でも一番守りたい…嫌われようと何だろうと守りたい」

恭平さんの言葉にカッとなって、少し強い口調になった。