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ずっと傍に……
第35章 すれ違う心…
『そうか…友也の気持ちも…分からなくもないな。大切だから幸せになってほしい。そう思うのは当たり前だからな。お前の母さんだって同じように思ってる。友也の幸せだけを願ってる…それは分かるよな』
『…うん…。…だけど、それじゃあ母さんの幸せは?俺の事一番に考えて…俺に遠慮して好きな事ができない。…昔から…そうだった。俺がいるから好きな事ができない、自分の事は全て後回しだ。教師だってそう…俺がいたから教師になるのが遅くなった。俺がいなければ…もっと自由だったはずなんだ。俺さえ…いなければ…』
「…友也…」
友也は何度も俺さえいなければと口にする。
その想いが、私には辛い…
『俺さえいなければ好きな事やって好きな奴と一緒になって…俺が生まれたせいで母さんを不幸にしてる…そう思うと俺…この家…出た方がいいと…思ったんだ…ばーちゃんに迷惑かけるけど…俺…まだ中学生だし…ひとりでは生活もできない…』