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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「昔は…買い物に行ってましたけど…あの…失礼ですがどちら様ですか?」
生徒の親じゃないと分かれば直接聞いても問題はない。
「そうよね…私が覚えていてもあなたは覚えていないわよね…あの時、そのスーパーでレジを打っていて何度かお見掛けしてたんです…」
そう言われて顔を見ていると、どことなく思い出してくる。
私の顔をジロジロと変は目で見ていたレジを打つおばさん。
名前は確か…
「古澤…さん?」
「そうそう!!覚えていてくれたのね。」
名前を口に出すと、うれしそうに笑う古澤さん。
ユキと買い物に行くたびにジロジロと変な目を向けられ、最後に蒼がズバッと言ってくれてスカッとしたのを今でも覚えている。
「あれから…ほらっ…一緒にいた方から叱られてしまって…あの時からお店の方に顔を出さなくなったから心配してたんですよ…だけど元気そうでよかった…身体の方はもう大丈夫なんですか?」
会話らしい会話をしたことなくて、ヒソヒソ話をして嫌な視線を向けるだけだった古澤さんが私の事を心配していたという事にびっくりした。
それに、あの時は体調が悪かったわけでもない。