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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「…大丈夫ですけど…どうしてそんなことを聞くんですか?」
古澤さんの言葉が腑に落ちなくて聞けば、古澤さんは何ともいえない顔をする。
「そうね…立ち話も何なんで…少し…話しませんか?」
初対面と言って良いぐらいの古澤さんだったけど、私も聞きたいことがあって併設しているカフェで話すことにした。
買い物が終わった荷物を足元に置きホットコーヒーを頼んで少しゆっくりする。
「ずっと…あなたのこと心配して見てたんですよ…」
一口飲んだコーヒーカップを置いて古澤さんが切り出した。
その言葉にムッとした。
「でも、ジロジロと変な目で見てましたよね。あの目が嫌で、あの店に行かなくなりました…あそこだけじゃない…どこの店に行ってもジロジロとみられて…旦那が亡くなったのに違う男といるのがそんなに珍しかったんですか?噂になるぐらいおかしなことだったんですか?」
今更だけど腹がたってくる。
行くところ行くところで変な目で見られいたたまれなかった。
ユキがいたから無理してでも買い物には行った。
それがなければ家から出たくもなかった。
古澤さんに他の人の事まで責めるのはお門違いだけど、彼女もその中のひとりだと思うと怒りをぶつけていた。