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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「とてもね…楽しそうに話されていたのよ。だけど…そこには誰もいなくて…そこだけが奇妙は空間に包まれているようなそんな感じだったの。だから……こんなこと本人の目の前で言うのも気が引けるんだけど…精神的におかしくなってしまったのかなって…誰もが思ってたと思うの」
精神的におかしくなっていた…
正直そうかもしれない。
あの時は、友紀也が亡くなって誰でもいいから縋りたくて、知りもしないユキに依存した。
普通だったらあり得ないのに、あの時の私はそれがおかしいとは思わず依存して毎日身体を重ねていた。
だけど、そのユキが本当はいなかった?
私の幻??
悲しくて辛くて、私に見せた幻想…
だけど、私は友也を妊娠し出産して育ててきた。
ユキがいないというのなら、友也は誰の子供??
「戸惑うことを言ってごめんなさいね…ただ…普通に生活されている姿を見てうれしくて声をかけてしまったの…私たちの視線で苦しめてたって知って話してしまったけど…言わない方が…よかったわよね…」
「…いいえ…真実を知れて…よかったです…」