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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「そして、こっちは理科担当の高橋先生。彼は、ある先生に影響を受けて理科の教師を目指したんだ…誰の事か分かるか?」
小林先生の言葉にまさかと思ってしまう。
ある先生の影響を受けて理科の教師を目指したと言われたら思い浮かぶのはひとりしかいない。
「友紀也…桜木先生???」
「はい!!桜木先生は高校の時の担任でした。そして憧れの先生なんです!!…あの…失礼ですが…桜木先生と同じ苗字ですよね…もしかして…」
高橋先生は、瞳をキラキラと輝かせながら食い入るように私を見る。
「はい。桜木友紀也は私の夫です。そう…桜木先生の影響を受けて…何かうれしいですね」
私も友紀也の意志を継ぎたくて教師を目指して友紀也の願い通り教壇にたっている。
私以外にも友紀也に影響を受けて教壇に立っている先生がいると思うとうれしかった。
「陽葵先生。高橋という名前に記憶は?」
そう聞かれて記憶を張り巡らしても思い当たる人は思い浮かばなかった。
「覚えていないですね…どこかでお会いしてたんですか?」
「いや…会った事はないが…陽葵先生も名前は聞いたことがあると思うが?」