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第36章 意志を継ぐもの…

高橋先生の言葉に当時の事が蘇ってくる。
そして、あの時にかけつけてきた女の子の口から高橋と言う名を聞いたような気もする。

「桜木先生と蒼に怪我をさせた張本人…」

そう口から零れた言葉に高橋先生は顔を歪めた。
その表情は後悔の表情だと感じた。

「はい…俺が蒼と喧嘩をして止めに入った桜木先生も巻き込んで大けがをさせたんです…。…たぶん、停学、退学になってもおかしくなかったと思います。だけど桜木先生がかばってくれて、俺の将来について親身になってくれて…卒業したら会うこともない生徒にこんなにも真剣に向きあってくれたことがうれしくて…桜木先生のような教師になりたいと…教師を目指しました…まさか、その奥さんの陽葵先生とご一緒できるとは…」

あの後、学校に復帰しても大変な毎日を送っていた友紀也。
学校内での事は殆ど口にすることはなかったけど、高橋先生を見捨てることなく向き合っていた友紀也の姿目に浮かぶ。

「あれ？？でも、どうして蒼を知ってるんですか？」