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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「二人ともどうしたんですか??後ろに何か……」
ふたりの驚いた顔をクスクスと笑いながら振り返り、私も言葉を失った。
そして、ドクンドクンと胸が鳴る。
まさかと思うほどに似ていたから、一瞬私に会いに来てくれたんだと錯覚をしてしまった。
「どうしたの?お化けが出るみたいに驚いた顔して…」
そう…私も小林先生も高橋先生もお化けを見たような表情をしていた。
そんな私たちに、ゆっくりと近づいてきた彼は、にっこりと笑った
「ただいま。母さん―――…小林先生お久しぶりです。元気でしたか?」
「あっ…ああ…友也…か…一瞬桜木先生かと…」
「俺も桜木先生かと…」
ふたりは口々に友紀也の名前をだすけど、私の中では友紀也よりユキにそっくりだと思える。
ユキを知らないふたりだから友紀也に似てると思ったのかもしれない。
「…夕方の便で帰ってくる予定じゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけどね。早い便が取れたから変更したんだ。」
にこっと笑う友也はどこからどう見てもユキそっくりで、やっぱりユキの子供なんだと分かる。