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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「…なんか…俺…まずかったかな?」
「そんなんじゃないから…小林先生、申し訳ないんですが…」
「ああ…そうだな。久しぶりに会ったんだからな…友也、今度ゆっくり遊びに来いよ」
「落ち着いたら顔を出しに来ますよ」
そう返事をした友也と学校を後にした。
廊下を歩くと友紀也と同じで人目を引き、生徒たちの黄色い声援は耳が痛い。
春休みで生徒が少なくてよかったと思った。
「今日の晩御飯何?」
車に乗って帰ってるとそう聞かれても何も考えていない。
「何もないよ。食べて帰ってこようと思ってたんだから…」
「まじか…外食より母さんのハンバーグとグラタンが食べたいんだけどな?」
大人になっても変わらない友也の好物に笑いが出そうになった。
そしてそれは私も好きな母の味。
「そんなのでいいならいいけど…スーパーに寄ってもいい?」
「もちろん。重いものとか買いたいものがあったら俺運ぶよ。」
そんな小さな心遣いもうれしい。
学校から家に帰る間にあるスーパーに車を停めて買い物をすることにした。
カートを押す友也と歩くと、やっぱり視線が痛い。
だけど友也は慣れているのか知らない素振りで欲しい物をカートの中に入れて行く。
友也がいれるのは殆どお菓子だった。