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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…

「志保???どうした?」

泣く志保さんにかけよってきたのは大地くん。
大地くんからも私の姿が見えないのか気付いていなかった。

「ご主人さんですか??すいません。俺がぶつかってしまって…そんなに酷くぶつかったつもりはなかったんですが…母さん…どうしよう」

友也が振り返り私に助けをともめると、大地くんが私に気がついた。

「ヒナ?」

そして、その声に志保さんが顔を上げた。

「何??母さんの知り合い??」

その問いに何と答えていいのか困ってしまい、お互いに言葉がでない。
そんな不穏な空気を察した友也が私の裾を引っ張って心配する。

「えっと…高校との時の同級生の大地くん…その奥様で…」

友紀也の妹とは言えなかった。

「初めまして、息子の友也です。」

頭を下げる友也に大地くんと志保さんも軽く会釈しながら何ともいえない表情をする。

「何か…今日は会う人会う人に変な顔をされるな…小林先生たちにも言われたけど、俺ってそんなに友紀也さんに似てる?」

どうなの?と首を傾げる姿は友紀也というより、やっぱりユキに似ている。
甘える様な…捨てられた子犬のような瞳は友紀也よりユキ。
だけど、それをここで言っていいのか悩んで口ごもると、志保さんの方が口を開いた。
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