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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「そう…。小さい頃さ…俺が母さんと結婚するだって言ってたこと覚えてるかな?」
それは忘れるはずもない小さかった頃の友也の言葉。
ママと結婚するんだ、ママを守るのは僕なんだというのが友也の小さい頃の口癖だった。
「覚えてるよ。うれしかったもの…小さな友也が小さいながらにも私を守ろうとしてる姿が微笑ましかったしうれしかった」
「そっか…今でも夢なのか現実なのか分からないけど…。友紀也さん、ずっと俺に会いに来てくれてたんだ。」
ユキではなく友紀也が会いに来てくれていたという話に驚きながら、友紀也らしいと納得する自分もいる。
「母さんを守ってあげてほしい、支えてあげてほしい、泣かないように傍にいてあげてほしいって、いつも穏やかな表情で俺に語りかけてた。自分の大切な人なんだ。この世でただひとり愛した人なんだって…まだ幼い俺に言うんだよ…正直、人が死ぬっていうことが分からなかったけど、一緒にいたくてもいられなかったんだなってのは伝わった。そして…俺よりも母さんの事を愛してるんだなってのも…だからさ…母さんと結婚するとかいいながら、それは無理だって分かってた。友紀也さんには勝てないなって」