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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「不思議に思ってた…目が覚めて寂しい時…友也は寝室に顔を出して一直線に私に向かって抱き付いてきた。どうして分かるんだろうって、親子だからかなって思ってたけど…。そう…友紀也が…」
「うん。いつも辛そうな顔して俺に頼んでたんだ…。だけど、それだけじゃない、母さんを困らせたりすると叱られるんだ…。母さんに怪我をさせた時は殴られた。起きたら右頬が腫れていて…困惑した。」
「まさかっ…」
驚いて声をあげると、友也はバツが悪そうにはははっと笑い、あの時はごめんなと恥ずかしそうに小さな声で謝っていた。
友也の言葉で頭に浮かんだのは、友也が反抗期で荒れていた時の事だった。
お互いの気持ちが見えなくなり、友也は私の事を思って出て行くと言った時。
思い返せば、あの時、頬が腫れていた。
ただぶつけただけだと言葉を濁していた友也に、これ以上拗れるのが嫌で追及はしなかったけど、あれは…