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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
―――――…
友也が戻って二週間がたった。
今日は4月19日。
あの小さかった友也も二十歳になる。
「母さん、早く行かないと時間なくなるよ」
玄関先で私を呼ぶ声に慌てて玄関に向かった。
ジーパンにTシャツとラフな格好は友紀也と変わらない。
友紀也とユキが同一人物だと分かった今では、どこからどうみても友紀也に似ていると思える。
そして驚いたことに、友紀也が愛用していた車、アルフォロメ8Cを簡単に乗りこなしていた。
友紀也が亡くなって、私が乗れなくても手離せなかったひとつ。
月に何度かエンジンをかけることがあっても乗ることはなかった友紀也の愛車。
それを2週間で色々と手を加え、メンテナンスをして普通に乗れるようにした時は驚きながら、また助手席に乗ることができたことに泣いてしまった。
その友紀也の愛車に乗って向かうのは友紀也のお墓。
3か月前に来たばかりだから、きれいなままで掃除も簡単に終わった。
そして花を添えて、ふたりで手を合わせて報告する。