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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「友紀也さん…これからは父さんと呼びますから…中々呼べなかったけど、もういいですよね。そう呼ぶことに間違いはないと分かったから……」
その言葉にうれしくて涙がにじみ出る。
どう説明して良いのか分からず、友紀也さんとしか呼ばせられなかった。
きっと、父さんと呼ばれて友紀也も喜んでいるはず。
「そして俺…父さんと母さんと同じ道を歩むから。母さんが父さんの意志を継ぐように、俺も父さんの…意志を継ぎたい」
「友也?」
この子は何を言っているのだろうと声をかけると、友也は立ち上がって視線を私に向けた。
そして、まっすぐに私を見据えて口を開いた。
「俺…教師になるから。科目は違うけど俺…英語の教師になる」
「自分のやりたいように生きていいんだよ。もう誰に縛られることなく」
「俺はずっと自由だったよ。母さんを守ってきたのも父さんに頼まれたからじゃない。俺がそうしたかったから…途中反抗して悲しませたこともあったけど…感謝だけは忘れたことはなかった。…もし縛られてると思っていたら留学なんてしてないよ。それに、留学に関して父さんも何も言わなかった。それは認めてくれてるんだと思ってた。」