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ずっと傍に……
第36章 意志を継ぐもの…
「ただいま」
そのまま庭に顔を出せば、蒼の子供の湊と桜が遊んでいた。
「陽葵おばちゃんだ――」
私に気がついたふたりは飛び掛かる勢いで寄ってきて抱き付き、隣に立っている友也を見て、少し緊張した表情を見せていた。
「友也お兄ちゃん。覚えてないかな?」
「僕、覚えてるよ。一緒に遊んだもん」
お兄ちゃんの湊は覚えているようで、私から離れて友也と遊び始めた。
桜は覚えていないのか恥ずかしがって私から離れようとしなかったので、抱き上げて庭からリビングに顔をだした。
「ただいま」
「おかえりなさい。…友也は?」
「湊と遊んでる…。友也、おばあちゃんたちに挨拶しなさいよ」
庭で湊と遊んでいる友也に声をかけると、友也は湊を軽々と抱き上げて私の横に立った。
「ただいま。元気でした?」
にこやかに笑って話す友也に、ママもパパも驚いた顔をする。
もう何度目だろうと、私も友也も驚きはしなくなっている。