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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「良いクラス会だったね」
「うん…でも小林先生が還暦すぎてるなんてね…陽葵も小林先生いなくなって寂しくなるね」
そんなことを言うもんだから止まっていた涙も溢れ出す。
「あ~…ごめんごめん。でも、小林先生言ってたね。良い先生になったって。」
「…まだまだだもん…小林先生みたいになれてない…」
いじけたように告げると、はいはいと言って取り入ってくれない。
その関係も高校生の時と変わらないと思いながら、電車をも乗り継いで家に帰った。
「ふたりともビールでいいんだよね」
「もちろん」
家に戻って家飲みがスタートする。
もちろん私は梅酒で、千佳と咲は相変わらずのビール。
そして飲みっぷりは変わらない。
咲は子供産んで弱くなったんだよね~と言いながら、私と同じでちびちびと飲みはじめた。
「気兼ねなく飲めるビールが最高だわ」
千佳は楽しそうに二本目を開ける。
「気使った?」
「違う違う。仕事関係で飲むお酒がって事」
ちょと不貞腐れながら飲み始めた千佳を見て、今日も愚痴コースかなと咲と視線で交わして小さく笑った。