この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
上を目指している千佳はプライベートなんかないような生活をして男性顔負けの営業成績を残しているという。
女性でも部長になれるとい会社で狙っていないはずがない。
仕事に生きると決めた千佳は、その言葉通り彼氏も作らず仕事に邁進していた。
「千佳はさ。ずっとひとりで生きていくの?」
私もずっと気になっていた事、心配している事を咲が平然と聞いた。
その言葉に、千佳の表情が変わったような気がする。
「仕事に生きるのもひとつの生き方だと思うよ。でも、あと10年20年…自分が定年した後の事考えたことある?」
それは痛いところだなと思い、それでも老後の心配もする年になったんだと思う。
「うん…それね…実はさっ…」
今まで流暢に喋っていた千佳の言葉が言い淀む。
何か言いにくいのかと、千佳の言葉を待った。
「一応ね…つきあってる人は…いるんだ」
「「えっ???」」
千佳の言葉に私と咲の驚きが重なった。
仕事に生きると言い、仕事に没頭している千佳の口からそんな事が聞けると思っていなかった私たちはただただ驚くだけ。
そんな私たちとは違って、千佳は恥ずかしそうに笑っていた。