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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「ちょっと、誰よ。詳しく話しなさいよ」
千佳と咲と対面に座っている私は梅酒のグラスを持って千佳の横に座って話の続きを催促する。
私と咲に挟まれた千佳は観念したかのように話し出した。
「営業先の人…向こうも仕事一筋で恋愛そっちのけで仕事してきたみたい。何度か顔をあわせるようになって…仕事の話でもプライベートの話でも意気投合しちゃって…一年前ぐらいからおつきあいしてる…」
「で、結婚するの??」
千佳の恋愛トークに興奮気味の咲が食い入るように聞くと何とも言えない顔をする。
「そこはまだ…」
「はぁ???何やってるのよ。私たち44歳よ。この先、恋愛できるか分からないんだからね。捕まえた獲物は仕留めないと!!」
その言葉に困り顔の千佳に、笑いをこらえている私。
それでも、千佳の事を心から心配しているのは伝わってくる。
これが私たち。
高校の時から変わらず同じ立ち位置の私たちだった。