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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「あのね…もう44歳だしさ…子供は諦めてる…。だから結婚は焦ってないと言うか…」
「相手はそれで良いって?」
「うん…子供が欲しいなら私は無理だって話は最初にしてる。…相手はそれでも良いって言ってくれてるんだ。…仕事が一番の人だから、結婚して自分の時間を取られるのがイヤみたい。子供が生まれたら尚更じゃない?結婚しないのに彼女をつくのも相手に悪いからって特定の彼女は作らずにきたみたい」
「でも千佳とはつきあってるよ」
「うん…私も仕事一筋だからさ…同じ目線で仕事に向き合えるからって…まぁ…結婚の話が全然でてないわけじゃなくて…子供を望まないなら急がなくていいよねって…」
子供を望まないと言う千佳の言葉は少し寂しい。
私は友也を産んで幸せだった。
こんな幸せな事がこの世にあるなんて思わない程、幸せな時を過ごしてきた。
できるならば、そんな幸せを千佳にも味わってほしい。
だけど、それを私が言うことではない。
幸せは人それぞれ。
分かっていても…子供がいる人生を味わってほしいと願う自分がいた。