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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「私の事は話したから、次は陽葵だね。再婚する気ないの?」
話が一段落したと思ったら、次は私の番になったらしい…
それこそ苦笑いしかない。
だけど、それが通じる相手ではなことも知っている。
「友紀也さんが亡くなって…20年?21年?その間、そんな話なかったしさ…。友也くんも二十歳過ぎたでしょう?陽葵の手も離れるわけだし、新しい自分の人生考えてもいいんじゃない?」
「…22年だよ…もうそんなに経つんだね……」
22年前の出来事は私が生きてきた中で一番悲しい出来事だった。
最愛な人がこの世を去った年。
死にたくて死にたくて、毎日死ぬことばかりを考えていた日々。
そこから救ってくれたのがユキであり友也だった。
子育てに必死で、それが終わると次は教師と言う仕事に必死で今まで突っ走ってきた。
だから他の人を好きになろうと思った事もないし暇もなかった。
そんな事を思い返していると、千佳が私の手をぎゅっと握りしめてきた。
どうしたのかと顔を見れば、明るかった表情は曇っていた。