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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「友也くん、まだまだだな。俺たちは俺たちで楽しもうぜ」
大地くんは缶ビールを上げて友也を誘えば、友也もにやりと笑って冷蔵庫からビールを取り出して大地くんの横に座って乾杯をする。
そして一気に飲み干す友也は、やっぱり友紀也の子供だ。
お酒に弱い私の血は引き継いでいなかった。
「すごい飲みっぷり…」
「でしょう?飲み方は友紀也そっくりよ」
「そうだったね。千佳と良い勝負してた」
「いやいやいや…私のほうが負けてたって。いつの間にか陽葵とくっついて寝てたもん」
友也の飲みっぷりから話は広がって行く。
千佳と咲は友也が生まれてから遠慮してか友紀也を懐かしむことには一切触れなかった。
千佳たちだけではなく両親も避けていた。
それが今は当時を懐かしむように色々な話ができることは嬉しい事だった。
あの時あの場所に友紀也は確実に存在し、私たちと共に時を過ごしてきたのだと分かる。
「父さんってそんなに強かったんだ。」
「そうだね。酔った姿見たことないかな」
「そうなんだ。父さんの血引いててよかった…母さん全然飲めないからさ」
「だな。」
そんな風な会話をしながら、夜は更けていった。