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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
―――ピンポーン
部屋のチャイムがなり、落ち着かなかった私の動きが止まった。
「来ちゃったよ…」
そう呟くと、友也は笑いながら玄関を開けに言った。
『こんにちは、友也くん』
『こんにちは、志保さん、大地さん、あがってください。中で母が待ってますから』
玄関先で簡単な挨拶を交わして大地くんと志保さんがリビングに顔を出した。
志保さんと顔を合わせた瞬間、お互いに何とも言えない表情をする。
その不穏な空気に、友也と大地くんは苦笑いをしながら中に入ってくる。
「とりあえず、友紀也さんに手を合わせようか」
「…そうね…陽葵さん、いいかな?」
「もちろんです…」
お互いに愛想笑いをしながら会話をする姿は滑稽なんだろう。
ふたりが友紀也の前で手を合わせている間にお茶の準備をしてテーブルに並べた。
志保さんは友紀也に何を話しているのか5分程瞳を閉じて手を合わせていた。
「急におしかけて悪かったな」
「ううん…大丈夫…」
大地くんに声をかけられても何も言えない。