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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「いいですよ―――…一言で言えば…お兄ちゃんはものすごく優しい人。怒る事もなければ、人の悪口も言わない人だった。母は私を産んだあとすぐに亡くなったの。癌を患ってて私を産む代わりに治療を拒否して亡くなったと聞いた。私を産まなければ、まだまだ生きられたはず…だけど私が生まれてくることを望んでくれた。だから私は母の顔を知らない…そしてお兄ちゃんは7歳の時に母を亡くした事になるの。生まれたばかりの私と7歳の子供の面倒を見るのは父にとって大変な事だと思う。だけどね。お兄ちゃんがおばちゃんと一緒に私の事や家の事をやってくれたって聞いた。物心ついた時から、私の傍にお兄ちゃんがいて、寂しい思いをしたことはなかった。お兄ちゃんが友達と遊びに行く時は一緒に連れて行ってくれたし、もし、他の子が私を連れて来るのを嫌がったら、お兄ちゃんも遊びにいかなかった。お兄ちゃんの生活は私中心で…小さいながらにもそれは感じてた。当時はそれが嬉しかったけど、大きくなるにつれて悪いなっても思うようにもなった。