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ずっと傍に……
第6章 初デート…
先生はまだ洋服を着崩してはいなかった。
先生の言う通り、まったくの別人で誰が見ても同一人物とは思えない。

「ねぇ…どうして学校と今とで恰好が違うの?」

意図的ではないと言った。
だったその理由を知りたい。
もちろん、こんな格好で教壇に立たれたらライバルが増えて困るから普段のだらしない恰好の方がいいに決まっている。

「あれですか…元々はあっちが本来の僕だったんですよ。母がいなくて家の事をするのに精一杯だったということもあるでしょうが、オシャレに無頓着で着られれば何でもよかったというのも事実ですね。僕の家は父子家庭で7つ違いの妹がいると話しましたよね」

「うん。お弁当を作ってあげてるって」

先生のところに行くようになって、色とりどりで栄養バランスの取れたお弁当を見て彼女の手料理かと嫉妬していたことを思い出す。

「その妹が高校生の時でしたね。三者面談に行くことになったんですが…その恰好では来るなと罵倒されまして…来るなら私が洋服を選ぶと買い物につき合わされて…それからですね。友達が来るからこれを着て、一緒にでかけたいからこれを着てと妹好みの服が増えていってしまった…今ではそれが普通になってしまいましたね。」
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