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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
『友紀也へ
友紀也、ごめんね。
幼いあなたを残していなくなったママを許してね。
あなたと共にいられないママを許してね。
できることなら、あなたと共に生きていたかった。
これからの成長を見続けたかった。
それが出来ないママを許して…
友紀也が生まれた時…
とても暑い日だったのよ。
セミの鳴き声が大きくて…その声に負けないぐらいの産声を上げてこの世に生まれてきたの。
その声を聞いた時に、やっと会えたねってうれしくて泣いたのよ。
ママの横に来た時は、見えないのにママに向かって笑うの。
その顔が愛らしくて、どんなことをしても守ってあげたいと強く思ったのよ。
その友紀也から離れることがどんなに辛い事か…
泣いても抱きしめてあげられないと思うと胸が張り裂けそうになり、ママの方が泣きそうになるの。
それだけ、ママにとって友紀也は大事な存在。
なにものにも代えがたい宝物なの。
それでも去って行かなければならないママを許してね。