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ずっと傍に……
第37章 時の流れ…
「お母さん…」
読み終えると、大地くんの胸に顔を埋めて肩を震わせて泣いた。
初めて触れるお母様の想いだった。
「友紀也言ってました…志保さんにはお母様の想い出がないから、自分が母の存在になろうと決めたと、自分がお母様にしてもらったように優しくしてあげたいと。友紀也の優しさはそこから来てるんだと思います。お母様の想いを小さいながらも理解したんでね」
「そう…母のように…。…そうね。母親の様に大きな愛で私を包んでくれてたのね…私は母からも、兄からも愛されてた…幸せなことね。」
泣きながら笑う志保さんは、どこかふっきれた感じがした。
どこかで母親の愛情を感じたいと思っていたのかもしれないと思うと、この手紙を見せてよかったと思う。
「な~…母さん。これって当たってる?」
そう言って渡してきたのは、友紀也が高校生になった時に書かれた手紙だった。