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ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…
お互いの顔を見合わせてどうしたらいいのか悩んでいる。
そして、少し時間を空けると、チラホラと手をあげる生徒が出てくる。
「ありがとう。降ろしてください。では中絶するという人」
こちらもチラホラと手が上がった。
それでも半分以上の人が手を挙げなかった。
「手を挙げなかった人。挙げなかった理由は何ですか?」
その質問には、いつもハキハキとしている子が手を挙げて応えてくれる。
「正直どうしたらいいのか分かりません。学校を辞めて産む勇気はないし…かと言って簡単に中絶も考えられないです。だから手を挙げませんでした。」
「答えてくれてありがとう。それぞれ考えがあるようですね。どれが正解かなんて答えが出る様な問題ではないですよね。それでも、学生時に妊娠して迷いなくどうするか決められる問題でもないんです。産むにしてもその後は?生活というものが待ってます。中絶すれば身体の傷、心の傷、何かしら残ります。どちらにしても大変な思いをするのは間違いありません。その両方を必ず視野に入れてください。自分は大丈夫。自分に限ってはなどと無責任な事は考えないでほしい。避妊をせずにSEXをした場合、誰にもでも起こりえる事だと自覚してください。」