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ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…
「早く孫の顔を見たいわね。」
ついつい、そんな言葉をつぶやいてしまうと、友也は一瞬嫌な顔をする。
「はぁ?先月結婚式あげたばかりだって…でも…そうだな。家族が増えるのはいいかもね。陽葵あばーちゃんって呼ばれる日も遠くないかもね」
「それは嫌かも…おばーちゃんなんて呼ばれたくない」
その言葉に友也は笑いながら、また週末と言って帰って行った。
その後ろ姿を見ながら思う事はひとつ。
月日は確実に過ぎて行き、それぞれが自分の道を歩んでいるということだった。
家に帰って友紀也の写真の前に立って、写真の中の友紀也の顔をなぞる。
あの時と変わらない笑顔。
ここだけは時が止まり、あの時のままだった。
「今年も無事に終わったよ…友紀也が望んでいた教育…まだまだだと思う部分も多いけど…保護者の方にも他の先生にも受け入れられてる…友也も同じように頑張ってる。応援してあげてね」
どこかにいる友紀也に届くように…話をする