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ずっと傍に……
第38章 引き継いだモノ…
―――――…
「先生…ちょっといいですか??」
放課後、明日の授業の準備をしていると、私のクラスの木野崎さんが声をかけてきた。
どうしたの?と聞いても少し話しづらそうだったのでスクールカウンセラー室に移動して話を聞くようにした。
カウンセラーの先生は気を利かせて席を外してくれて、ふたりで対面して座った。
「どうしたの?」
そう聞いても木野崎さんは何も話さない。
何かを話したくて来たのに話せないと言う事は、あれしかない。
「この前の授業の事かな?」
木野崎さんは小さく頷いた。
「そっか…ゆっくりでいいから…伝えようとしなくてもいい…思っていることを口にすればいいからね」
優しく伝えると木野崎さんは頷いてスカートをギュっと握りしめていた。
気分を落ち着かせるために冷蔵庫から冷たいお茶を出すと、それを一気に飲み干しガタンとコップをテーブルに置いて、深く息を吐く。